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 北海道生まれ。出生後まもなく転居した群馬県桐生市にて美しい自然に囲まれ育った。北海道大学入学のたため、再び北海道の地を踏み、札幌で4年間をすごす。北大では社会行動科学を専攻し、社会学、人類学、宗教学、社会心理学等クロスオーバーな分野を学んだ。現在の社会構造、異文化間コミュニケーション、フェミニズムなどに対する興味は、当時の学びに端を発している。また、北海道の大自然により、多大なる芸術的インスピレーションを受けた。学術的なカリキュラムを修める一方で、幼少時より好きだったアートについても、絵画教室に参加するなどして関心を持ち続けた。

 大学卒業後、東京の大手消費財・化粧品メーカーに入社し、マーケティングリサーチスペシャリストとして勤務した。他方、プライベートでは教室参加などを通して、油彩やドローイングを学んだり、グループ展で作品の展示を行ったりした。1980年代、日本はバブル経済の頂点を極めていた。物質文化の狂乱の時代、次第に、心が満たされない感覚に襲われ、空虚感を抱くようになる。会社組織の中での自分の役割についても疑問をもつようになり悩みが増していく。リアリスト画家である甲斐清子とそのメンターである抽象画家太佐豊春と出会ったのは、そんな苦悩の日々の中であった。彼等との出会い、および、甲斐のデッサンクラスに通う決断は、松田の人生を変えるマイルストーンとなる。アートを創ることに対する強い願望が生まれるのに時間はかからなかった。

 1990年、本格的なアートの勉強とその継続、および、アーティストとしてのキャリア展開を目指してニューヨークに渡る。アートスチューデンツリーグに通い、そこで、ドローイング、ペインティング、版画を学んだ。後に、ニューヨーク市立大学ハンターカレッジに入学し、スタジオアート専攻で学部を卒業の後、グラフィックアート専攻でMFA(美術修士)過程を修了した。

 ハンターカレッジでの MFA 過程の期間、それまでの人物、静物、風景画を中心とした主に油彩による具象作品に替わり、写真や写真ベースの版画やデジタル等異なる手法を用いて自身の芸術的着想を探求した。MFAでの作品は、松田のリアリズムと具象表現を新たなフォームに拡大。近作においては、主に、版画とミクスドメディアを中心に展開している。

 ニューヨークで、1998年にネクサスギャラリー、2004年にリバーデールYM-YWHAアートギャラリー、2006年にバザーサーティにて個展を実施。日本でも、2001年と2005年に銀座の竹川画廊、2017年にギャラリー銀座向日葵で個展を行った。グループ展も、二人展、四人展をはじめ、米国内外で数多く実施している。松田の作品の一部は、2006年より画商であるオールドプリントショップが取り扱っている。この他、数多くのアートフェアでも作品を展示してきた。松田の作品は、現在、ニューヨーク公立図書館、シラキュース大学、アートスチューデンツリーグ等の公的コレクションならびに数多くの私的コレクションとして納められている。

 現在、ニューヨーク日本人美術家協会 (JAANY) の会長を務めている他、全米版画家協会 (SAGA) の理事の任にも就いている。また、ボストンプリントメーカーズ、および、全米女性美術家協会 (NAWA) の会員でもある。 NAWAでは、2016年に、最優秀メダル賞を授与された。  

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